~前回のあらすじ~
「<職業:風俗嬢>でマッチングアプリに登録してみたらどんな男と遭遇できるのか」とヒラメキ、アプリで恋人募集中の私『桜貝ぱふ子』。
今回のお相手は、なんと年収1500万の顔よし性格よしの「出木杉くん!」
待ち合わせたばかりなのに、超ハイセンスなお土産と共に甘いセリフもサラっと言ってのけてしまう出木杉くんに、私はプライベートスイッチが全力ON!笑
レストランでは一体どんな甘いセリフで私をメロメロにしてくれるのでしょうか?!
出来すぎて、怪しい
お花のパイをもらい、プライベートスイッチが完全にONになってしまった私・ぱふ子。
注文していたコーヒーを飲み干し、ついにレストランへ移動することになりました。
じゃあそろそろ行きましょうか。
はい!
お腹は結構空いてます?
実は結構ペコペコで…笑
よかった!僕も今日ずっと仕事していたから、お腹空いてます。好きなもの遠慮なく食べちゃいましょう!笑
…私、思ったんですけど
お腹の空き具合もスマートに聞いてくれた上に、それに同調してくれるその姿勢…
この男、かなり女の子との食事に慣れているな?
なんだ?
もしかして「高い料理食べさせてやったんだから、体くらい貸せよ」みたいな残念なタイプだったり…?
否!そんなことはない!
そうあってほしくない!
とかなんとか色々ぐるぐる考えている間に、ホテル内にあるレストランに到着。
んひぃ~!
こんなのプライベートで来た事ないよぅ…
しかもカッコイイ人と綺麗なレストランでご飯を食べられるだなんて…
しかし、感動している私とは裏腹に、どこかオドオドしている出木杉くん。
?? どうかされました?
あ、いや…多分ぱふ子さんについても色々お話聞きたいなって思っているので、そういえばオープン席より個室の方がいいかなって今気が付いて…すみません!個室いけるか聞いてきます!!
いい人~~!!!!
え!全然気にせず!笑 むしろ気遣ってくださってありがとうございます。出木杉さんが気にしないんだったら、オープン席にしましょ!
すみません、ありがとうございます…
無事席につき、ワインやコースも私の要望を聞きつつスマートに注文が完了。
注文に慣れている様子から、普段からこういうお店を利用しているんだなとすぐ分かりました。
お店選びやエスコート、全てにおいて完璧すぎるくらい完璧!かっこいい!
こんなん秒で惚れてまうやろ!
でもさぁ
やっぱ優良物件すぎて怪しくない?
ここ2年くらいは、風俗を利用するお客さん以外の男性としばらく関わっていなかったせいもあるんだろうけど、絶対裏があるハズだって疑ってかかっちゃう。
詐欺か、プレイボーイか、宗教か、それとも既婚者か…
「出来すぎているからこそ、疑いなさい…」と、過去の自分からストップがかかった。
友人の風俗嬢もよく「人が平気で嘘をつくのが日常の世界。信じたくても信じられなくなるよね、とくに男」とは言ってはいたが、正直ピンと来ていなかった。
まぁだって、信じたいって思う機会少なかったし(急に私のダークな部分が露呈)
スイッチはONではあるが、少し警戒心は持とう……
元ボンクラ息子?!出木杉くんの過去とマッチングした理由
乾杯を済ませ、そろそろ本題の「なんで私とマッチングしたのか」に迫ろうとした瞬間……
そういえば、なんでぱふ子さんにアプリでアタックしたのか話しておこうかなと思うんですよ。
?!
まさかの先制…!!
私、疑っている顔、表面に出ていたか?!
た、確かに気になってはいたので、是非教えてください。
ですよね笑 結論から言うと僕は「ナイトワーカーの女性に助けられたことがあるから」なんです。
んん?どういうことですか?
実は恥ずかしい話ではあるんですけど、僕の家は少し金銭に余裕のある家庭で。一人っ子というのもあって、かなり甘やかされていたんです。ワガママで、性格も酷かったですよ。
こんなに紳士なのに?!
全然です笑 お金があれば何でも手に入れられるって、当時は本気で思っていたと思います。本当の友達もいなかったな……。友達だと思っていた人も、僕にお金があるから、両親が偉いから、付き合ってくれているって高校生くらいの時に気が付いてしまったんですよね。
あ~~。(別世界の人だなぁ)何でそれに気が付いたんですか?
遊びに行くとき、いつの間にか俺が全部奢ってたんですよ。それで、たまたま僕の財布の中にお金が入ってない日があって。でも遊びに行きたいから今日は出してほしいって言ったら「じゃあ帰ろう」って言われたんです。
それ酷くないですか?!最悪!!無理!!!
流石に僕私もショックでしたね。「俺お金なかったら相手にしてくれないんだな」って…。でもそれは僕にも原因があったんだと思います。それで……
それで?
変わりたいって思ったんです。本気で。でも、どうしたら良いか分からなかった。そんなこんなでフワフワしながら生活していた大学生の頃、とりあえず生活に変化をつけようとデリヘルに行ってみたんですよ。
(大学生のうちからデリか…贅沢…)ほうほう。
で、そこで会ったのがさっきお話ししたナイトワーカーさんでして。
あっ!ここでその人が出て来るのね!
ですです。服を脱ぐ前に話したりするじゃないですか。そしたら急に「元気ない?無理してる?ずっと仮面かぶってるね」って言われて。
す、するどい!!!でも分かる気がする。たまに「この人の仮面めっちゃ分厚いな」って人いるもん。優しいけど、絶対中身は違うこと考えてるなっていうか…。
やっぱり分かっちゃうんですかね~笑 で、僕泣いてしまって。悩んでいることを正直に打ち明けてみたんですよ。
あるある。お悩み相談乗る時。全然恥ずかしくない。
見栄ばかり張っていたから、悩みを相談するの久しぶりで。そしたら僕の頭を撫でてくれながらこんなことを言ってくれたんです。
裕福なことに悩んでいるなら、使わなければいいじゃん。
裕福だから友達ができないと思っているなら、貧乏になってみればいい。予算を決めて、その中でやりくりをして、その中で色んな所に行って、友達を作ってみなよ。
お金がない人間ってさ、お金がある人間よりも『人に支えられている』って意識があると思うよ。
持ちつ持たれつっていうかさ。自分がいかにちっぽけか、無力なのかを知ってみな。
まだ若いし、時間はあるよ。
※ちょっと名言っぽく演出してみたわよ!笑(ぱふ子)
めっちゃいいこと言うじゃんか……
ですよね。もう感動しちゃって。
でその後どうしたの?
社会人になって1人暮らしになったタイミングで、生活水準を落として、人にあんまり奢らないようにしました。もちろん親からお金ももらわないようにしたし。そもそも自分の給料だけで生活するのってこんなに大変なんだなって凄く思いましたね笑
友達もできた?
できました!小汚いけど美味い!みたいなお店にも未だによく行きますし、そういう所に気軽に誘える友達もできました。あれは俺の人生のターニングポイントだったと言えますね。自分の性格の悪かった部分も分かったし、短所を指摘してもらえる友達ができたのは有難いです。
よかった~~!それで、その女神みたいな女性に私が似てるの?
そうですね笑。申し訳ないんですけど、とりあえず外見が似ていてビックリしました。多分違う人だとは思うんですけど。
多分違うとは思うけど、そんな素敵な人に似ているだなんて光栄ですよ!
長い話しになってしまってすみません…でも、決して下心だけでぱふ子さんにアタックしたわけじゃないって、先に言わないといけないと会う前から思っていたので。
この人はすごく苦労した人間なんだな、と思ったよね。
人に嫌われた経験があって、それに気付けたからこんなに人の気持ちに寄り添えるようになったのかも。
なんか…
私が恥ずかしくなってきた!!
こんなにしっかりした人なのに、「ワンチャンこの人GETできるかも!」とか思ってた自分が恥ずかしい!!!!!
出木杉くんの理想の女性は「ぱふ子」?!
そんなこんなで話しているうちにメインディッシュのお肉が登場。
出木杉くんの話しに気を取られてはいたが、美味しい料理はしっかりモグモグ食べ進めておりました笑
でもなぁ~
私はそこまで人生紆余曲折したわけじゃないし、出木杉くんにしてみたら私って非常にツマラナイ人間かも。
と思いつつ、美味しい肉を頬張っていると…
……まぁ色々話しましたが、僕は既にぱふ子さんが可愛くて仕方がないですけどね(にっこり)
思わず肉をごくんと飲み込む。
What happen?!(全力のニヤけ顔)
ついに甘いセリフを中編でも言いやがった!!(ネタをありがとう!)
びびびっくりした~!!なんですか急に!!笑
ごめんなさい笑
最初はもちろん外見がさっき話した方と似ているという所からお声がけしたのはあります。でも、なんか話しているうちに可愛いなぁって思ってしまって。僕ご飯美味しそうに食べる人好きなんですよね。
いつまでも美味しそうにご飯食べるので飼ってください
だって美味しいんだもん~!やだもうさっきから全体的に恥ずかしい////
うん。だからそういう所。
も゛~~~~!!!(耐えきれず悶える)
私なんて大した人間じゃないし、正直釣り合わなさそうですもん出木杉さんとは!
そんなことない!!!僕、人を見る目は養ってきたつもりです。ぱふ子さんは多分好奇心旺盛で、お仕事も続けられていて、しっかりした女性だと思います。だから…
だ、だから……?
え、もう告るん?
来るの?
春来るの?
どうする?
マジで?コラムもう終わる?
……ワイン。
へっ?!
ワイン、もう一杯いかがですか?(照れている様子)
おいいいいい!!!
おい!おい!(地団駄)
なんだよそれ可愛い!!!
は?イケメンなのに可愛いの?
反則じゃんかズルいじゃん!!
しかもちゃっかり焦らされたし!!
しかし、嫌いじゃないよ
むしろイイ…(キモイ
ワイン…はい…いただきます…(必死に冷静さを保っている)
その後も、2人はなんか甘酸っぱい焦らしプレイをお互いに続け、いつの間にかワインを2本開けてしまったのであった。
そして…
お互いホロホロ酔い始め、更に上の階のバーラウンジへ移動。
そこで…
事件は起きてしまったのである……(起きないでほしかった)
次回ついに後編!
衝撃的な展開にぱふ子の脳内がストップする?!
お楽しみに★