ゾクゾクタウンの風俗マンガ

menu

ホスト狂いになった女の末路~第1話・愛ってなんだろう~

愛ってなんだろう。
そもそもこの歌舞伎町に「愛」なんてものは存在するのかな。

この日、担当と私は切れました。

毎日のように一緒にいた私たちは、一生会わない他人になった。

どうしてこうなったんだろう。
どうすれば私たちはすれ違わずに済んだんだろう。

どうすれば幸せになれたのか。
そもそも歌舞伎町に「幸せ」なんてあったのか。

こんな別れになった発端は、年間最後の12月。

私は担当のエースでした。
微力ながらも、お客さんのいない新人の彼をずっと支え、ナンバーに入れていました。

そんな彼と迎える年間最後の締め日。
もちろん彼は私に来てほしい。でも私はとても締め日に行けるほどの財布の中身はなかったんです。
なぜならその月に彼の「ラストソングを取ってみたい」という願いを叶えるべく出稼ぎに行き、自分の全財力を持って彼をラストソングに輝かせた直後だったから。

それでも「一緒にいてほしい。」「何もいれなくていい、隣にいてほしい。」って言葉に私は頷くしかなく、何もしない約束で締め日に行きました。
今思えば、ホストの言葉を真に受ける方がバカだったな、なんて思うんですけど、当時の私は歌舞伎町に来て経験も浅く、ホストの言葉を真に受けて惚れ込んでしまういわゆる「チョロ鴨」でした(笑)。

締め日当日。
同伴してお店に入店し、席に座った直後です。

鳴り響くシャンパンコール。
シャンパンを持ってステージに立つ担当。

そしてマイクで放ったひとこと。
「“勝手に”シャンパン頂きました~!!!」

!?!?!?!?!?!?

え、私???????
私の卓!?いや私しかお客さんいないから私か。
え、でも今日はシャンパン入れないって言ってたよね?え?

パニックになる私を差し置いて、私の卓に集まる従業員たち。
あ、やっぱ私の卓なんだ。
いや。私お金ないよ???????

そんな私を差し置いて始まるシャンパンコール。
開栓されたシャンパン。
そして悪い笑みをたたえて席に来る担当。
ハメられた。そう思ったときにはすべてが遅く、頭が真っ白になってただただシャンパンコールが終わるのを待つしかなくて。

ホストクラブって怖い。
歌舞伎町に来て半年、私は初めて“歌舞伎町の闇”というものに触れてしまったのです。

当然シャンパンコールが終わって席に戻ってきた担当と大喧嘩。
「私今日は無理って言ったよね!?」
「いやでも今日はどうしてもいれて欲しかったんだよ。」
「話が違うじゃん!?」
「だって言ったら来てくれないと思って…」

話にならないまま、担当は席を抜けて他の卓のヘルプに行き、私の卓には他の従業員が私を慰めるべく回ってきました。
でも当然、ヘルプ誰もが担当の肩を持つのです。
「担当にも考えがあったんだよ。」
んなわけあるか!!!!!!

今まで築いてきた信頼関係ってなんだろう。
そもそもそれすら虚像だったかもしれない。

担当と出会って半年。
歌舞伎町の時の流れは早い。1か月は1年くらいの濃さがある。

そんな中で出稼ぎの期間以外ほとんど毎日一緒にいた時間は、担当をつけ上がらせるだけの結果しか生み出せなかったのか。

悲しさと悔しさと、いろんな感情が入り混じってたまりませんでした。
結果、私はこの日を最後に担当を切ることを決めました。

でも、ここで歌舞伎町から去っていられたらどんなに良かったか。
こんな悲しい思いをしても私は歌舞伎町から去ることが出来ませんでした。

この日に至るまでに私はホストクラブという存在に依存してしまっていたのです。

世にはいろんな依存症がありますよね。
アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症…。

その言葉を借りるなら私は、「ホスト依存症」。

歌舞伎町に来てから私はどうしようもなくホストクラブという存在から抜け出せなくなっていました。

ホストクラブって、薬に似てると思うんです。
適度に摂取すれば人生を豊かにしたり、助けになる。
でも摂取しすぎれば毒となって精神や身体を蝕む。

私は気づかないうちにホストクラブという薬を摂取しすぎてしまった。
そしてホストクラブから抜け出せなくなってしまった。

初めて人に夢中になって、初めて人のために頑張って。
SM嬢になったり、出稼ぎに行ったり。

そしてそれと同じくらい素敵な思い出を残してくれて。
お揃いのジャグアタトゥーをいれたり、スマホケースをお揃いにしたり。
ハロウィンやクリスマスといったイベントごとを一緒に過ごしたり。

担当と過ごした日々は今ではすべて良い思い出ですが、なかなか波乱万丈な歌舞伎町ライフを過ごしたと思います。

どうしてホストクラブに行くことになって、ハマってしまったのか。
そしてもっというなれば、ホストクラブにハマる要因は自分の中のどこから生まれたのか。

私の過去を振り返りながらお話ししていきたいと思います。

***
>次の話

ナイトレジャーの漫画を読むならZOKZOKTOWN